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西方雑感

桝谷佳彦

朝 ホテルの近くを散歩した
いつの間にか、自分のイメージに合うインドを探している
牛は? 物乞いは? 沐浴は?

牛は意外に少ない 物乞いの手も伸びてこない
インドも日々変化しているんだ ここに来るまで当たり前のことに気づかない

人力車に子どもたちが、鈴なりになって乗っている
カメラを向けて手を振ったら、微笑ってくれた

夜 タンドールチキンを3ピース食べた 翌朝 くだっていた
食べ過ぎでお腹をこわせる幸福

お腹が万全でないので、ヨーグルトと生野菜を控えた ますます調子が悪い
なるほど、ヨーグルトと生野菜を控えると、胃腸が直接香辛料にやられるんだ
刺身にわさび てんぷらに大根おろし カレーにヨーグルト

Nari Raksha Samiti (NGO)の活動を見学する
たくさんの少女がトタン屋根の下、ゴザ一枚の上でノートを広げている
みんなまつげが長い マッチ棒が二本はのる
この子たちの目がきらきらしているのは、そのまつげのせいだけではないだろう

「インドのNGOは富裕層がやっているらしいね?」

世界の富裕層である日本人は何をやってるのか?

インドではどうも「ええとこの子」は顔の色が白い(日に焼けてない)
家の経済状況が、顔の色に反映されるという現実
余裕がなければ「活動」などできない

少なくとも、今回出会った「富裕層」には品があった
どうして最近の日本人には、品がないのだろう
品とはきっと『誇り』なんだ

観光地で1ルピー(2.5円)を乞う子どもの目
その目から尊厳の光を奪ったのは誰だろう

街角で物乞いをする足萎えの青年
我々は一体何ができるのか

Urban Planning Partnership(NGO)が環境整備に関わったスラムを見学した
なんだか気持ちがいい 人々が微笑みかけてくる
好奇心に満ち満ちた子どもたち 写真を撮ってくれというおじさん
          路地は広くはないが清潔だ
門口でチャパティーを焼く女性 1枚もらった おいしかった
私たちの「豊かな街」にはこんな気持ちよさはない

日本に帰って、インドに行ってきたことを告げる
「今、カーストはどうなってんの?」
「インドは大好きになるか、大嫌いになるか、どちらからしいね?」
日本では、みんなが同じことを聞く

「今、カーストがどうなのか」は、サッパリわからなかった
が、持参金が大問題だということがわかった
それをめぐって人が殺されることをはじめて知った

職業の世襲は不条理だ
が、10億の人々が互いに職を奪い合えばどうなるのだろう

自国で身につけた「ものさし」だけで計っていては、他国を理解することはできない

世界では、一年に3億人の人がマラリヤに罹り、100万人がマラリヤで死んでいる
日本では、赤痢の疑いがあるだけで毎日保健所から電話がかかってくる