第6回国連アジア・太平洋人権ワークショップが、イラン・テヘランで1998年2月2日から4日に開催された。この会議は、アジア・太平洋地域に おける地域人権メカニズムの構築に向けた行動計画について議論された、アンマン・ジョルダン会議をフォローするかたちで開催された。この行動計画は、アジ ア・太平洋地域各国政府の地道な議論のなかから生まれてきたものである。
日本の外務省と国連大学が、1998年1月、東京で第3回アジア・太平洋地域人権シンポジウムを開催した。このシンポジウムでは、国連人権高等弁 務官メアリー・ロビンソンが基調講演を行い、国連人権活動が実施されているアジア・太平洋諸国の代表がそれぞれの実態を報告した。
[連絡先→外務省総合外交政策局人権難民課、〒100-0013 東京都千代田区霞ヶ関2-2-1、電話:03-3580-3311]
「すべての移住労働者およびその家族構成員の権利保護に関する国際条約」が国連で採択されたのが、1990年12月18日。現在の批准状況は、わ ずか9カ国。UNDP(国連開発計画)が、この日を記念して、12月18日を移住労働者とその家族と連帯する国際デーと位置づけ、多くの国に条約批准を呼 びかけるキャンペーンを開始した。UNDPは各国の移住労働者問題に関する活動などの情報を提供してもらうよう呼びかけている。UNDP以外に、スカラブ リニ移住労働者センター(マニラ・フィリピン)、ILO(国際労働機関)、その他いくつかの移住労働者問題に関わるNGOもこのキャンペーンに協力してい る。
[連絡先→Asia-Pacific 2000 UNDP P.O. Box 12544, 50782 Kuala Lumpur, Malaysia; Tel: 603-255-9122; Fax: 603-253-2361]
1997年12月6日から9日にかけて、タイ・バンコクでアジア財団とASEAN国内人権作業部会による人権作業部会が開催された。この会議で は、各国の大使館の労務官に対する移住労働者に関するトレーニングの開催の可能性、香港大学のアジア・太平洋地域の人々のための人権コースの設立について 議論がされた。また、裁判官のためのワークショップの報告もなされた。主にアジア・太平洋地域諸国におけるロースクール(法律大学)に携わった人が参加し た。
[連絡先→Richard Wilson,Regional Initiatives, The Asia Foundation, 14F, 465 California Street, San Francisco, California, USA; Tel:1415-983-4640; Fax:1415-392-8863; e-mail: RICHARD+aTAFOFFICE%605-9192@MCIMAIL.COM]
フォーラム・エイシアが、1年間連続でワークショップを開催した。第1回目として経済的・社会的権利に関する開発のワークショップを6月に開催。 そして、7月にはアジア的価値をテーマにして、地域フォーラムを開催。いずれも、タイ・バンコクで。
[連絡先→FORUM ASIA 109 Suthisarnwinichai Road, Samsennok, Huaykwang, Bangkok 10320 Thailand; Tel: 662-276-6946 to 47; Fax: 662-276-2183; e-mail: chalida@mozart.inet.co.th]
カナダ人権基金がフィリピン人権委員会と共催で、2月8日から13日にわたり、フィリピン・タガイタイで国内人権機関と政府関係機関の人権実務者 トレーニングセッションを開催した。インドネシア、タイ、フィリピン、カンボジア、インド、マレーシア、南アフリカの国内人権機関およびNGOの代表が参 加した。今回のセッションでは、3つの分科会(国内人権機関の価値と意義、技術トレーニング、市民社会の強化のための役割)が持たれた。
[連絡先→Canadian Human Rights Foundation, 1425, boul. Rene-Levesqu Ouest, b. 307, Montreal (Quebec) Canada H3G 1T7; Tel: 514-954-0382; Fax: 514-954-0659; e-mail : chrf@vir.com]
3月2・3日、タイ・バンコクで東ティモールの平和的解決を求めた国際シンポジウムが開催された。このシンポジウムには、研究所、NGO、メディ ア、インドネシア国内人権委員会、タイのインドネシア大使館の代表が参加した。2日間にわたるシンポジウムでは、東ティモールの平和的解決を推進するため のASEANの役割、東ティモールの人々の自決と発展、東ティモール武力抑圧に対する解決策について議論がなされた。さらに、2日にわたってワークショッ プも開催された。テーマは、平和の過程の原理、参加、アプローチと、紛争解決と政治的対話について。
[連絡先→PEACE-SET c/o ACFOD, P.O.Box 26, Bungthonglang Post Office, Bangkok 10242, Thailand,Tel: 662-370-2701, 661-917-5960; Fax: 662-374-0464, 370-1202; e-mail: acfod@ksc15.thcom]
5月14日から17日にかけて、インドネシア・スラバヤにおいて第1回「アジアにおける『人権教育のための国連10年』の推進に向けた東南アジア 地域ワークショップ」が開催された。同ワークショップは、ヒューライツ大阪が中心となって推進してきた一連のもので、アジア各地のNGOや人権研究機関な らびに人権教育に関わる政府機関、人権教育を担う人々が参加して、アジア各地を舞台として展開してきたプロジェクトの一環であるが、今回は学校での人権教 育に焦点を当てた4回連続の地域ワークショップとなった。第1回はスラバヤ大学との共催で行われ、第2回は8月に韓国で、ソガン大学と共催で東北アジア地 域ワークショップが開催された。第3回は10月にインドでインド人権委員会との共催で南アジア地域ワークショップが開催された。そして11月23日から 26日まで大阪で、まとめとしてのアジア地域ワークショップがヒューライツ大阪の主催で開催された。そこには、13の国/地域の代表14名が招かれた。こ れら学校の人権教育をテーマとした一連の会議では、文化的価値と人権との調和を視野に入れながら、アジアの各地での実践の交流や共通性・問題点を参加者の 間で共有し、人権教育を進展させるための戦略を策定することがめざされた。
[連絡先→ヒューライツ大阪 〒552-0007 大阪市港区弁天1-2-1-1500 電話:06-6577-3577~8; ファックス:06-6577-3583]
5月14日から17日にかけて、光州蜂起記念・アジア人権憲章宣言アジア会議が韓国の光州市で行われ、会議名のとおり2つの意義をもった充実した 会議となった。世界人権宣言の普遍性と地域的な歴史的経験の両方を体現した人権憲章の必要性に賛同する150以上のNGOを代表して香港のアジア人権委員 会(Asian Human Rights Commission)は「アジア人権憲章」を起草した。開催地に光州を選んだことは、20世紀にアジア諸国において人権保障が十分なされなかったことを 象徴し、次の世紀においてはそれを実現するべくNGOは努力するというものである。現地湖南大学で行われた討議のテーマには、「人権に対するアジアの関わ りの再確認」、「アジアの財政危機と人権への挑戦」、「国の支援によるアジア人権憲章の必要性」などがあった。会議は、アジア人権委員会のほか、5・18 光州蜂起18周年実行委員会、光州市、アジア・太平洋民主リーダーフォーラム(Forum of Democratic Leaders in the Asia-Pacific)、そしてフリードリック・ナウマン財団(Friedrich Naumann Foundation)により共催された。
[連絡先→Asian Human Rights Commission; Unit D, 7th floor, Mongkok Commercial Centre, 16-16B Argyle Street, Kowloon, Hongkong; Tel: 852-2698-6339;Fax:852-2698-6367;Email: ahrchk@hk.super.net. またはKwangju Citizen's Solidarity; Tel:82-62-226-2093; e-mail: kjcs@nownuri.nowcom.co.kr]
ECPAT(子ども性虐待・子どもポルノ・子どもの商業的性搾取根絶国際キャンペーン)とAusAID(オーストラリア国際開発局)が、オースト ラリア・ヴィクトリアで6月2日から3日にかけて、第1回太平洋地域の子どもの商業的性搾取防止太平洋地域会議を開催した。子ども性虐待・子どもポルノ・ 性を目的とした子どもの人身売買・子ども性観光の問題について、政府代表、太平洋地域のNGO代表が集まり、子どもの商業的性搾取の防止のための国内レベ ル、地域レベルの具体的な戦略について話し合った。一方、防止に向けた既存のモデルについて何人かの専門家によって講義が午前中行われ、法制度の実施、教 育、観光、健康に関するセッションが開かれる午後からのセッションでは、子どもの人権保護と関係機関や個人のネットワークを通じて会議の成果をいかすため に特別な戦略を計画した。
[連絡先→ECPAT Australia, PO Box 1725, Collingwood, 3066, Victoria AUSTRALIA; Tel: 61-3-9419-1844; Fax: 61-3-9419-9518; e-mail: ecpat@ecpat.org.]
台湾輔仁大学において、東アジアにおける人権と価値に関する国際会議が6月21日から23日にかけて開催され、大学、政府、NGOが講師に招かれ た。初日の21日では、「東アジアの価値の定義」をメインテーマとして、「東アジア的価値の定義」と題する講義が開かれた。2日目は、「人権のアジア的解 釈に関するグローバル化へのインパクト」について議論がなされ、続いて女性、子ども、先住民族、都市における貧困、移住労働者、難民、障害者を含む社会的 弱者の視点から、人権問題を監視することを議論する分科会も行われた。
[連絡先→John Paul II Peace Institute, Fujuen University, 242 Hsinchuang, Taiwan, ROC; Fax: 886-2-29-03-55-24]
Tsao財団は、7月5日から7日までシンガポールで女性の健康に関する国際会議を開催した。会議はとくにアジアの老齢女性に焦点を当てたもので あった。
[連絡先→Ken-Air Destination Management Company, 257 Slegie Road, #03-275 Selegie Complex, Singapore 188350; Tel:65-336-8855; Fax: 65-336-3613; e-mail:kaicpdmc@pacific.net.sg]
CIVITAS(市民教育実践者国際組織)は、8月10日から13日にかけてマレーシア・クワラルンプールで市民教育地域会議を開催した。同会議 は、地域の市民教育および市民社会に関する活動を広く知らせ、市民教育実践者の地域ネットワークの確立を通して市民教育分野における地域間協力を促進する ことに貢献しようとするものであった。参加者の出身国は、オーストラリア、中国(香港を含む)、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴ ル、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、台湾であった。
[連絡先→Balazx Hidveghi, Executive Director,CIVITAS Secretariat,8 rue des Ecrivains 67000 Strasbourg, France ; Tel: 33388-247100; Fax:(33388)247109;e-mail: bohidverghi@compuserve.com]
8月21日から24日にかけて、韓国・済州島で、済州島4・3事件50周年を迎えて、東アジアにおける平和と人権の確立を主題とする国際シンポジ ウムが開催された。
21日は「済州島4・3事件」の追悼に始まり、1996年ノーベル賞受賞者のラモス・ホルタ氏が基調講演を行った。22日は、東アジアの冷戦と国 家テロリズム、 冷戦体制と東アジアの女性がテーマとなった。夜には「歴史の証言」をテーマに各地域より発言があった。23日のテーマは、 冷戦体制下、民衆虐殺の実像であり、午後には分科会討論が行われた。24日は、フィールドワーク(現場探訪)であった。
[連絡先→ 藤永壮、〒576-0053 大阪府交野市郡津3-36-3-102、電話/ファックス: 0720-93-9224]
第3回を迎えたアジア・太平洋地域国内人権機関フォーラム(Asia-Pacific Forum of National Human Rights Institutions)の会議が9月7日~9日インドネシアのジャカルタで開かれた。アジア・太平洋地域における人権の保護と経済危機についてのメイ ンセッション、昨年のニューデリーでの会議で出された問題(子どもの性的搾取に対する人権や法律の考え方、人権機関による告訴の受付け、調査および解決の 取組み)を扱うセッション、また、NGOと国内人権機関の協力や女性差別に対応する役割および国内人権機関の設立についてのセッションなど、いくつかに分 かれて討議した。6つの国内人権機関やその他政府の代表、そしていくつかのNGOの代表が参加した。
[連絡先→Mr.Kieren Fitzpatrick, Asia-Pacific Forum of National Human Rights Institutions, c/o Australian Human Rights Commission, Level 8 Piccadilly Tower, 133 Castlereagh Street, Sydney NSW 2000 Australia; Tel: 612-9284-9644; Fax: 612- 9284-9825; e-mail: apf@hreoc.gov.au; website: www.apf.hreoc.gov.au]
第3回アジア・太平洋地域国内人権機関フォーラム会議の開催にあわせて、アジア・太平洋地域人権NGOファシリテーティング・チーム(Asia- Pacific Human Rights NGOs Facilitating Team)も会議を開催した。主な会議は9月10日と11日に同じくジャカルタで開かれた。人権NGOとの相談活動は、ウィーン会議五年後の評価、世界人 権宣言50周年の取組み、国連人権委員会1999年の会期への戦略、1999年アジア・太平洋人権会議等に焦点が当てられた。「反国家保安法キャンペー ン」を計画するためのワークショップは12日と13日に行われた。
[連絡先→Boonthan Verawongse, APHRFT secretariat, PO box 26, Bungthonglang PO, Bangkok 10242 Thailand; Tel: 662-370-2701, 377-9357; Fax:662-374-0464; e-mail: hrnet@mozart.inet.co.th; website: www.hr.alliance.org/aphr-ft]
アジア地域人権教育のためのリソース・センター(Asian Regional Resource Center for Human Rights Education (ARRC))では、人権をテーマにしたビジュアル・アート・コンテストが4月から12月にわたって行われた。コンテストは「私の絵、僕の人権」と題さ れ、6歳から15歳までのすべての子どもが参加。6歳から9歳部門、10歳から12歳部門、13歳から15歳部門の3つに分かれ、それぞれ優勝者、準優勝 者、3位入賞者には、500米ドル、300米ドル、200米ドルの賞金とトロフィが用意された。コンテストは「子どもの権利条約」を広く知らせ、協賛する 団体、人権機関の援助により論議を高め、子どもの権利についての運動の材料として役立てること、およびメディアを通じてネットワークを確立することを目的 とした。このプロジェクトは世界人権宣言50周年とともに「人権教育のための国連10年」をサポートするものであった。6歳から9歳の部門での優勝者は6 歳のモンゴルの女の子。「生まれてくる私の弟も同じ権利を持っている」という題で、女の子と手をつないで歩くお腹の大きくなった妊娠中の女性をお腹の中の 赤ちゃんと共に幸せそうに描いた作品。ARRCは、表彰された絵を載せたアート・コンテストの報告書も作成している。
[連絡先→Ms. Theresa Limpin, Coordinator, Asian Regional Resource Center for Human Rights Education (ARRC), 494, Soi 11, Lardprao 101 Klongchan, Bangkapi, Bangkok 10240 Thailand or P.O Box. 26, Bungthonglang P.O. Bangkok 10242 Thailand; Tel: 662-370-2701, 731-2216; 3779357; Fax: 662-731-2216, 3740464; e-mail: arrc@ksc.th.com]
ダリット国際組織(DIO)およびマレーシアのインド人進歩戦線(IPF)が共催する第1回ダリット国際会議が、10月10日から11日まで、マ レーシアのクアラルンプールで開かれた。ダリットとは、サンスクリット語で「抑圧された人々」を意味する。指定カーストや指定部族、後進階級といった、 カースト制度の下で過酷な差別を受けている人々の集団を総称する言葉として、反カースト制運動のなかから生まれた。DIOは、1997年8月にインド・ ニューデリーで結成された全世界のダリットのための国際NGO。会議には、インドをはじめ、マレーシア、イギリス、アメリカ、カナダ、ブルネイ、アラブ首 長国連邦、オーストラリア、シンガポールなどから活動家、研究者など約1000人(うちマレーシアから約800人)が参加。会議では、教育、経済、社会正 義・平等の3つのテーマごとに討論が行われた。
[連絡先→Mr.K.Panjamurti PKJ, Secretary General, Dalit International Organization; Fax: 603-948-0077; e-mail: panja@fsas.upm.edu.my]
アジア・太平洋人民会議(Asia-Pacific Peoples' Assembly (APPA))の人権と労働フォーラム(The Human Rights and Labor Forum)が、11月10日から15日まで、同じ月に開催されたAPEC首脳会議にあわせてマレーシアのクアラルンプールで行われた。フォーラムは APEC首脳会議で取り上げられないでいる人権問題に焦点を当てた。女性、労働者、子ども、先住民、移住労働者、都市の貧困者、小作農、食料の確保などの 問題を、APEC加盟国の自由貿易やグローバライゼーションへの動きと関連させて扱った。このフォーラムに先立って、その他の国でもセミナー、フォーラム 等の活動が取り組まれた。
[連絡先→Mr.Yap Swee Seng or Ms. Cythia, APPA Secretariat, 57 Lorong Kurau, 59100 Luck Gardens, Kuala Lumpur, Malaysia; Tel: 603-283-6245;Fax:603-283-3536;e-mail:appasec@tm.net.my, website:www.geocities.com/CapitolHill/Senate/8340]
フォーラム・アジア(FORUM-ASIA)とチュラロンコーン大学の社会発展研究センター(Center for Social Development Studies (CSDS))では、10月11日から29日にかけてタイ・バンコクのチュラロンコーン大学にて「人権についてのアジア地域スタディーセッショ ン」(Asian Regional Study Session on Human Rights )を共催して行った。これは年に1度開催されているもので、今年で2回目であった。このセッションでは、参加者が、人権の概念と国際人権法が発展してきた 歴史の概要を学ぶこと、人権の普遍性・不可分性の理解を深め討論できるようにすること、過去50年のなかで確立されてきた国際人権の基準とそのメカニズム について理解することを目的とした。さらに人権情報の収集、文書化、発信についての基本的な理解を促し、キャンペーンや教育プログラムの実施、展開の方法 を提示すること、そして人権活動に必要な意義と姿勢を参加者が明確にできることも目的とした。セッションには南アジアおよび東南アジアで人権活動に従事す るNGO、学生、政府職員、個人などが参加した。
[連絡先→FORUM-ASIA, 109 Suthisarnwinnichai Road, Samsennok, Huaykwang, Bangkok 10320 Thailand; Tel: 622-276-9846-7; Fax: 622-693-4939]
10月19日、韓国・ソウルで「韓国における人権教育コース」と題する会議が開催された。会議では、韓国での定型および非定型の人権教育の状況お よび問題点について議論が行われた。同会議は人権教育の専門家がゲストスピーカーとして招かれた。同会議は、人権教育に一般の注目が集まり、韓国社会のな かで人権教育が促進されることを目的としていたので、会議の参加は広く一般から集まった。
[連絡先→Ms.Park Mihee; e-mail:euro25@chollian.net]
これからの人権教育についてのシンポジウム(日本)
12月5日に東京で日本弁護士連合会の主催で行われた。シンポジウムでは、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学マルシア V. J. クランが「法律家のための人権教育セミナー」と題する講義を行った。法律家、拘禁施設勤務者、学生のための人権教育の重要性について市民の意識を向上させ ることが目的。
[連絡先→日本弁護士連合会人権第1課、電話:03-3580-9841(代);ファックス:03-3580-2866]
オーストラリア人権と機会均等委員会(The Human Rights and Equal Opportunity Commission of Australia)は、「人権、人間の価値を今どう考えるのか」というテーマで、世界人権宣言50周年を記念する全国レベルでの人権会議を1998年 12月8日~10日、シドニーで開催した。ユースセミナー、映画フェスティバル、人権アワードセレモニーなどの特別イベントも会議にあわせて行われた。 ユースセミナー「人権、若者のチャレンジ」は、100人の中学生が人権について設定された仮定を討論し解決策を見つけようと力を合わせて取り組むものだっ た。中学生が人権に対する責任を理解すること、そして人権侵害をいかに民主的に解決していくかのプロセスを学ぶことを目的として行われた。このセミナーに は教員、地域の代表そして議員も参加した。人権会議での討議内容は、子どもと若者、市民と民主的プロセス、宗教とその思想、芸術と文化、社会の進歩と企業 の責務、農村問題、メディアの役割、産業と労働、プライバシー、国際関係、貿易、援助と人権、スポーツと人権、平和維持のための軍隊、紛争、企業投資、法 治と人権保障、法律と改革、国内人権委員会と国際監視組織、国際条約と国内統治などであった。
[連絡先→Australian Human Rights and Equal Opportunity Commission, Level 8 Piccadilly Tower, 133 Castlereagh Street, Sydney NSW 2000 Australia; Tel: 612- 9284-9644; Fax: 612-9284-9825; e-mail: hreoc@hreoc.gov.au; hri@acr.net.au ; website: www.apf.hreoc.gov.au]
(米田 眞澄/京都女子大学短期大学部講師)